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中学 生物

生きものを「つくり」と「はたらき」の両面から見る。図で覚える、絵で考える。

目次

Unit 0 — 小学校の復習

「生きもの」とは何か。植物・動物の大きな区別を絵で確認する。

① 生きもの=動物 + 植物

図 0-A
生きもの 動物 動く/食べる/呼吸する 魚・鳥・虫・哺乳類… (自分では栄養を作れない) 植物 動かない/光合成する 花・木・草・シダ・コケ… (自分で栄養を作れる)
生きものは大きく動物と植物に分かれる。Unit 1 では植物の世界を見ていく。

Unit 0 のまとめ

  • 生きもの=動物 + 植物
  • 植物は自分で栄養を作れる(光合成)
  • 植物にはいろいろな仲間がいる(草・木・花・シダ・コケ)

Unit 1 — 植物のからだのつくり

花・葉・根・茎のつくりを覚え、それで植物の仲間分けができるようになる。

図 1-MAP
植物のからだ ① 花のつくり おしべ・めしべ… ② 種子のでき方 受粉→受精→種子 ③ 葉と根 双子葉・単子葉 ④ 種子植物の分類 被子・裸子 ⑤ シダ・コケ 種子をつくらない
植物の世界を「花・葉・根・分類」の5つの観点で見ていく。

① 花のつくり

花は4つの部分からできている。外側から順に がく → 花弁 → おしべ → めしべ

図 1-1
がく 花弁(かべん) 柱頭 花柱 子房 胚珠(中) やく おしべ 外側から内側へ がく ── 花弁を守る緑の部分 花弁(かべん) ── 色のついた花びら おしべ ── 花粉を作る    先端: やく / 中身: 花粉 めしべ ── 受粉する    先端: 柱頭 / もと: 子房    子房の中: 胚珠(はいしゅ)
花は中央の「めしべ」を、外側の「おしべ・花弁・がく」が守る構造。種子は子房の中の「胚珠」が育ったもの。

📚 用語

  • がく花の一番外側、緑色の部分。つぼみのときに花弁を守る。
  • 花弁かべん花びら。色がついて虫や鳥を呼ぶ。
  • おしべ花粉を作る。先端の「やく」の中に花粉が入っている。
  • めしべ花の中央。先端は柱頭、根元は子房。
  • 子房しぼうめしべの根元のふくらみ。受精後は果実になる。
  • 胚珠はいしゅ子房の中の粒。受精後は種子になる。

② 受粉から種子へ

おしべの花粉が、めしべの柱頭につくことを受粉という。受粉のあと、子房の中で受精が起こり、種子ができる。

図 1-2
受粉 おしべ 柱頭 花粉がめしべに くっつく ★ 虫・鳥・風が運ぶ 受精 子房 花粉管 胚珠 花粉管が伸び、胚珠と合体 種子と果実 果実 (子房が成熟) 中に種子(胚珠が成熟) ★ 対応関係 子房 → 果実 胚珠 → 種子 受粉 → 受精 → 種子・果実ができる これは試験で 何度も問われる 「子房」と「胚珠」 どっちがどっち? 外側=子房、中=胚珠
受粉→受精→果実・種子。「子房→果実、胚珠→種子」の対応がポイント。

よくある間違い:「子房」と「胚珠」、「受粉」と「受精」

  • 子房(外側のふくらみ)→ 果実 / 胚珠(中の粒)→ 種子
  • 受粉:花粉が柱頭に「つく」だけ / 受精:花粉管が伸びて胚珠と「合体」する

順番は 受粉 → 受精 → 種子。試験はここを狙ってくる。

練習① 花のつくりと受粉

  1. bio-1-q1 花の4つの部分を、外側から順に書きなさい。
    がく → 花弁 → おしべ → めしべ
  2. bio-1-q2 おしべの先端の、花粉が入っている部分を何といいますか。
    やく
  3. bio-1-q3 めしべの先端と根元の部分の名前を答えなさい。
    先端:柱頭 根元:子房
  4. bio-1-q4 受粉とはどんな現象ですか。
    おしべから出た花粉が、めしべの柱頭につくこと。
  5. bio-1-q5入試頻出 受粉の後、子房と胚珠はそれぞれ何になりますか。
    子房 → 果実 / 胚珠 → 種子

③ 葉と根のつくり — 双子葉と単子葉

植物には「双子葉植物」と「単子葉植物」がある。葉脈・根・子葉の3つの特徴がちがう。

図 1-3(重要)
双子葉植物 アサガオ・タンポポ・ヒマワリ・ホウセンカ・サクラ… 単子葉植物 イネ・トウモロコシ・ツユクサ・ユリ・ムギ… 葉脈 網状脈(あみのめ) 平行脈(へいこう) 主根 主根 + 側根 ひげ根 子葉 2枚(双子葉) 1枚(単子葉) ★「子葉が何枚か」がそのまま名前になっている(双=2、単=1)
双子葉と単子葉は、葉脈・根・子葉の3点で区別する。葉や根を見れば、種子を見なくても分かる。

目からウロコ:「子葉の数」で植物の人生が変わる

芽が出た瞬間の子葉が1枚か2枚かで、その後の葉脈・根・茎の作りが全部決まる。
生まれたときの「型」が、一生の体のつくりを決めるとも言える。

④ 種子植物の分類 — 被子植物と裸子植物

種子をつくる植物のうち、胚珠が子房の中にあるのが被子植物胚珠がむきだし(子房がない)のが裸子植物

図 1-4
被子植物(ひし) 胚珠が子房の中に「被われた」 子房 胚珠 サクラ・タンポポ・アサガオ イネ・トウモロコシ… 花弁・がく あり 受粉後、果実ができる 裸子植物(らし) 胚珠がむきだし「裸(はだか)」 まつかさ (胚珠がむきだしで並ぶ) マツ・スギ・ヒノキ イチョウ・ソテツ 花弁・がく なし 果実ができない(子房がない)
被子植物(胚珠が「被われた」)と裸子植物(胚珠が「裸」)。マツには花弁もがくも果実もない。

よくある間違い:「マツの花」は花弁もがくもない

マツも種子植物だから「花」が咲くが、花弁とがくはない。雌花(めばな)にはむきだしの胚珠が並び、雄花(おばな)には花粉袋が並んでいるだけ。

「花=花弁つきのきれいなもの」は被子植物のイメージ。裸子植物の花は地味で見過ごされがち。

⑤ 種子をつくらない植物 — シダとコケ

植物には種子を作らない仲間もいる。シダ植物コケ植物。これらは種子の代わりに胞子(ほうし)でなかまをふやす。

図 1-5
植物 種子をつくる → 被子・裸子植物 種子をつくらない 胞子でふえる シダ植物 ★ 葉・茎・根 あり ★ 維管束あり ワラビ・スギナ・ゼンマイ コケ植物 葉のような部分 仮根(かこん) ★ 茎・根なし ★ 維管束なし ゼニゴケ・スギゴケ
シダには茎と根があり水を運ぶ管(維管束)もある。コケには茎・根がなく、体全体で水を吸う。

目からウロコ:植物の進化の歴史が見える分類

コケ → シダ → 裸子植物 → 被子植物 の順で、地球の歴史で植物は陸地に進出して進化してきた。

水中の藻 → コケ(地面に張り付く) → シダ(茎と根で立ち上がる) → 種子で広く分布する植物、という発展の物語。

動画で見る

花の構造、受粉の様子、シダ・コケの胞子:

図 1-6(植物全分類マップ)
植物 種子植物 被子植物 双子葉 単子葉 サクラ タンポポ アサガオ イネ トウモロコシ ユリ 裸子植物 マツ・スギ・ヒノキ イチョウ・ソテツ 種子をつくらない植物 シダ植物 ワラビ・ゼンマイ コケ植物 ゼニゴケ・スギゴケ
植物全体の分類マップ。試験で「次の植物はどの仲間か」と問われるので、代表例を覚えておく。

📚 用語

  • 双子葉植物そうしよう子葉が2枚/網状脈/主根と側根。サクラ・タンポポなど。
  • 単子葉植物たんしよう子葉が1枚/平行脈/ひげ根。イネ・トウモロコシなど。
  • 被子植物ひし胚珠が子房の中にある種子植物。果実ができる。
  • 裸子植物らし胚珠がむきだしの種子植物。マツ・スギなど。果実なし。
  • シダ植物種子ではなく胞子でふえる。茎・根がある。
  • コケ植物胞子でふえる。茎・根がなく、仮根で地面に張り付く。

練習② 分類

  1. bio-1-q6 次のうち、双子葉植物はどれですか。
    アサガオイネトウモロコシタンポポユリ
    アサガオ、タンポポ
  2. bio-1-q7 双子葉植物の葉脈と根のつくりを答えなさい。
    葉脈:網状脈 / 根:主根と側根
  3. bio-1-q8 被子植物と裸子植物のちがいを「胚珠」という言葉を使って書きなさい。
    被子植物は胚珠が子房の中にあるが、裸子植物は子房がなく胚珠がむきだしになっている。
  4. bio-1-q9 次のうち、裸子植物はどれですか。
    マツサクライチョウタンポポスギ
    マツ、イチョウ、スギ
  5. bio-1-q10 シダ植物とコケ植物に共通する特徴を1つ書きなさい。
    種子をつくらず、胞子でふえる。
  6. bio-1-q11 シダ植物とコケ植物の大きな違いを「茎・根」を使って書きなさい。
    シダ植物には茎と根があり(維管束がある)、コケ植物には茎・根がなく仮根で地面につく。
  7. bio-1-q12 次の植物をそれぞれ「被子・裸子・シダ・コケ」のどれか答えなさい:
    (a) サクラ (b) スギ (c) ワラビ (d) ゼニゴケ
    (a) 被子 (b) 裸子 (c) シダ (d) コケ
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Unit 2 — 植物のはたらき

植物の3つのはたらき(光合成・呼吸・蒸散)と、それを支える「葉・茎・根」のつくりを身につける。

図 2-MAP
植物のはたらき ① 光合成 栄養を「作る」 ② 呼吸 栄養を「使う」 ③ 蒸散 水を「出す」 舞台:葉・茎・根のつくり
植物は「作る・使う・出す」の3つのはたらきで生きている。それぞれ別の場所で起こる。

① 葉のつくり

葉は光合成と蒸散の現場。中をのぞくと、こうなっている。

図 2-1
葉の断面図 表皮 柵状組織 ← 葉緑体(緑の粒) 海綿状組織 表皮 気孔 ↑空気の出入り口 気孔 ★ 気孔は葉の裏側に多い。光合成・呼吸・蒸散すべての出入り口
葉の中は層になっていて、緑の粒「葉緑体」がぎっしり。下の表皮には空気の出入り口「気孔」がある。

📚 用語

  • 葉緑体ようりょくたい細胞の中の緑の粒。ここで光合成が行われる。
  • 気孔きこう葉の表面(特に裏)にある小さな穴。空気と水蒸気の出入り口。
  • 孔辺細胞こうへんさいぼう気孔の両側にある細胞。気孔を開閉する。

② 光合成 — 栄養を作るはたらき

植物は光のエネルギーを使って、自分で栄養(デンプン)を作る。これが光合成。動物にはできない、植物だけのスゴ技。

図 2-2(重要)
葉緑体 (光合成の工場) 水(H₂O) 根から吸い上げる 二酸化炭素(CO₂) 気孔から取りこむ ☀ 光エネルギー デンプン(C₆H₁₂O₆系) 栄養として体に蓄える 酸素(O₂) 気孔から放出 水 + CO₂ + 光エネルギー → デンプン + O₂
光合成の式:水+二酸化炭素+光 → デンプン+酸素。入力2つ、エネルギー1つ、出力2つを覚える。

ヨウ素デンプン反応で確かめる

葉に光を当てた後、ヨウ素液をかけて青むらさき色になればデンプンが作られていた証拠。

図 2-3
① 日光を当てた葉 日光6時間以上 デンプン作られた? ② エタノールで脱色 緑色を抜く (観察しやすく) ③ ヨウ素液をかける 青紫色に変化 ⭕ デンプンあり! 結論 光が当たった葉 → デンプンあり 光が当たらない葉 → デンプンなし 光合成には 光が必要!
ヨウ素液は青むらさき色になることでデンプンを検出する。光が当たった部分だけで反応する。

③ 呼吸 — 動物と同じ

植物も呼吸している。動物と同じく、酸素を取り入れて二酸化炭素を出す。呼吸は昼も夜も続いている

図 2-4(重要:光合成と呼吸の対比)
光合成 栄養を「作る」 取り入れる: CO₂(二酸化炭素) 水(H₂O) + 光のエネルギー 出す: デンプン(栄養) 酸素(O₂) ★ 光が当たるとき(昼)だけ 呼吸 栄養を「使う」 取り入れる: 酸素(O₂) デンプン(栄養) 出す: CO₂(二酸化炭素) 水(H₂O) + エネルギー(生きるため) ★ 一日中(昼も夜も)
光合成と呼吸は逆の反応。同じ植物でも、昼は両方、夜は呼吸だけ。

目からウロコ:植物の昼夜は「収支」のちがい

植物は昼も夜も呼吸している。けれど昼は光合成の方が呼吸より多いので、見た目には「CO₂を取り入れている」ように見える。
夜は光合成が止まるので、呼吸だけ ── 動物と同じく CO₂ を出して O₂ を取り入れる。

「植物は CO₂ を吸って O₂ を出す」というのは昼の話だけ。夜は逆。

④ 蒸散 — 葉から水が出ていく

根から吸い上げた水は、葉の気孔から水蒸気として外に出る。これが蒸散
蒸散があるおかげで、根からの水の流れが続く(ストロー効果)。

図 2-5
蒸散の実験:葉の有無で比較 葉あり 水面 💨 水蒸気 水が大きく減る 葉なし(切除) 水面(あまり減らない) 水はあまり減らない 結論 水を減らしている のは葉 葉の気孔から 水が出ている = 蒸散
葉のある枝と葉を取った枝で水の減り方を比べると、蒸散の場所が「葉」だと分かる。

⑤ 茎と根のつくり

葉で作った栄養や、根で吸った水は、茎の中の管を通って運ばれる。

図 2-6
茎の断面(維管束=水と栄養の通り道) 双子葉植物の茎 維管束が輪のように並ぶ 道管(内側) 師管(外側) が対になって 輪に並ぶ 単子葉植物の茎 維管束が散らばっている バラバラに散らばる
茎の断面で、双子葉と単子葉のちがいが見える。双子葉は輪、単子葉は散らばり。

目からウロコ:「道管」と「師管」の方向

2つの管はどちらも縦に通っているが、運ぶものが逆:

  • 道管(どうかん):根 → 葉 へ を運ぶ(内側)
  • 師管(しかん):葉 → 根 へ 栄養(デンプン) を運ぶ(外側)

を流す」「匠が下に栄養を運ぶ」と覚える子もいる。

動画で見る

📚 用語

  • 光合成こうごうせい葉緑体で、光のエネルギーを使って CO₂ と 水 から デンプン と O₂ を作るはたらき。
  • 呼吸こきゅう栄養と O₂ を使って、生きるためのエネルギーを取り出すはたらき。CO₂ を出す。
  • 蒸散じょうさん葉の気孔から水蒸気が出ること。根からの水の吸い上げを助ける。
  • 道管どうかん根→葉に水を運ぶ管。茎の内側。
  • 師管しかん葉→根に栄養を運ぶ管。茎の外側。
  • 維管束いかんそく道管と師管をまとめた管の束。

練習③ 植物のはたらき

  1. bio-2-q1 光合成は植物のからだのどこ(細胞のどの部分)で行われますか。
    葉緑体
  2. bio-2-q2入試頻出 光合成の式を「材料」と「できるもの」で書きなさい。
    二酸化炭素 + 水 + 光のエネルギー → デンプン + 酸素
  3. bio-2-q3 ヨウ素液は何を確かめるための薬品ですか。また、その色変化を書きなさい。
    デンプンの存在を確かめる薬品。青むらさき色になればデンプンあり。
  4. bio-2-q4 植物が呼吸をしている時間帯はいつですか。
    一日中(昼も夜も)。光合成は光が当たるときだけだが、呼吸は止まらない。
  5. bio-2-q5 植物の蒸散は主にどこから起こりますか。
    葉の気孔(特に裏側)
  6. bio-2-q6 蒸散には植物にとってどんなはたらきがありますか。
    根から水を吸い上げる流れを作る。体温調整(葉の温度を下げる)にも関わる。
  7. bio-2-q7 水を運ぶ管と栄養を運ぶ管をそれぞれ答えなさい。
    水を運ぶ:道管(どうかん) / 栄養を運ぶ:師管(しかん)
  8. bio-2-q8 双子葉植物と単子葉植物で、茎の維管束の並び方はどう違いますか。
    双子葉:輪のように規則正しく並ぶ/単子葉:バラバラに散らばっている。
  9. bio-2-q9 日光に当てない葉と当てた葉で、ヨウ素デンプン反応はどう違いますか。
    日光に当てた葉は青むらさき色になる(デンプンあり)/当てない葉は変色しない(デンプンなし)。光合成には光が必要。
  10. bio-2-q10 次のうち、植物が呼吸で取り入れる気体と出す気体を答えなさい。
    取り入れる:酸素(O₂)/出す:二酸化炭素(CO₂)。動物と同じ。
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Unit 3 — 動物のからだ

ヒトの体内で起こる消化・呼吸・血液循環のしくみを理解する。

図 3-MAP
① 消化 栄養を吸収できる形に ② 呼吸 酸素を取り入れる ③ 循環 血液で全身に運ぶ
食べた物が栄養になり、酸素と一緒に全身に運ばれる。3つの仕組みがつながっている。

① 消化器官と消化酵素

図 3-1
食道 小腸 大腸 消化酵素のはたらき だ液(アミラーゼ) デンプン → 麦芽糖 胃液(ペプシン) タンパク質 → ペプトン すい液(複数) タンパク質・脂肪・デンプン 小腸の壁の酵素 最終的にブドウ糖・アミノ酸へ ★ 栄養素 → 吸収できる小さな形へ デンプン → ブドウ糖 タンパク質 → アミノ酸 脂肪 → 脂肪酸 + モノグリセリド ★ 吸収は小腸で行われる
食べ物は口→食道→胃→小腸→大腸を通る間に消化酵素で分解され、小腸で吸収される。

目からウロコ:消化は「巨大なパズルを部品に分解する」こと

デンプンやタンパク質は分子としては大きすぎて、そのままでは血液に入れない。だから消化酵素で細かい部品(ブドウ糖・アミノ酸)に切り分ける。
細胞は受け取った部品を、また自分の体のパーツとして組み立て直す。

② 肺による呼吸

図 3-2
気管 肺胞(はいほう) 小さな袋がぎっしり 表面積を広げて吸収効率UP O₂ ↓ 吸う CO₂ ↑ 吐く
肺の中には小さな袋「肺胞」がぎっしり。表面積を広げてガス交換(O₂とCO₂)の効率を上げている。

③ 心臓と血液循環

図 3-3
右心房 左心房 右心室 左心室 心臓 血液循環の流れ ① 左心室 → 大動脈 → 全身   (酸素・栄養を運ぶ) ② 全身 → 大静脈 → 右心房   (CO₂を回収) ③ 右心室 → 肺動脈 → 肺   (CO₂を捨て、O₂を受け取る) ④ 肺 → 肺静脈 → 左心房   (きれいな血液が戻る) ★ ぐるぐる回り続ける(1日に約100,000回)
心臓は4つの部屋(房室)でできており、ポンプとなって血液を全身と肺へぐるぐる送る。

よくある間違い:「動脈血=動脈を流れる血」← 半分正解

動脈血=酸素が多い血、静脈血=CO₂が多い血。ふつう動脈には動脈血、静脈には静脈血が流れるが、例外がある:

  • 肺動脈:心臓→肺へ。中身は静脈血(CO₂多)
  • 肺静脈:肺→心臓へ。中身は動脈血(O₂多)

「動脈/静脈」は方向(心臓を出るか戻るか)、「動脈血/静脈血」は中身(O₂/CO₂)で別の話。

📚 用語

  • 消化酵素しょうかこうそ食べ物を細かい栄養に分解するはたらきをする物質。アミラーゼ・ペプシンなど。
  • 肺胞はいほう肺の中の小さな袋。表面積を広げて気体交換を効率化。
  • 心房しんぼう心臓の上の部屋。血液を受け取る側。
  • 心室しんしつ心臓の下の部屋。血液を送り出す側。
  • 動脈血/静脈血酸素が多い血/CO₂が多い血。流れる血管とは別概念。

練習④ 動物のからだ

  1. bio-3-q1だ液に含まれ、デンプンを分解する消化酵素を答えなさい。
    アミラーゼ
  2. bio-3-q2胃液に含まれる、タンパク質を分解する消化酵素を答えなさい。
    ペプシン
  3. bio-3-q3消化された栄養が吸収される器官はどこですか。
    小腸(柔毛から吸収される)
  4. bio-3-q4デンプンは消化されて最終的に何になりますか。
    ブドウ糖
  5. bio-3-q5肺の中で気体交換が行われる小さな袋を何といいますか。
    肺胞(はいほう)
  6. bio-3-q6肺胞がたくさんある利点を書きなさい。
    表面積が大きくなり、気体(酸素・二酸化炭素)の交換が効率よく行えるから。
  7. bio-3-q7心臓の4つの部屋を答えなさい。
    右心房、右心室、左心房、左心室
  8. bio-3-q8動脈と動脈血のちがいを書きなさい。
    動脈は心臓から出る血管、動脈血は酸素を多く含む血液。普通は一致するが、肺動脈には静脈血が流れるなど例外がある。
  9. bio-3-q9体の各部分から心臓に戻ってくる血液には、何が多く含まれていますか。
    二酸化炭素(と老廃物)
  10. bio-3-q10赤血球の役割を書きなさい。
    酸素を全身に運ぶ。ヘモグロビンという赤い物質が酸素と結びついて運搬する。
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Unit 4 — 動物の分類

脊椎動物5グループ無脊椎動物の特徴を見分けられるようにする。

① 脊椎動物 5 グループの比較表

図 4-1(最重要)
グループ 体温 呼吸 産み方 体表 魚類 変温 えら 卵生(水中) うろこ サケ、コイ 両生類 変温 子:えら+皮膚 親:肺+皮膚 卵生(水中) 湿った皮膚 カエル、イモリ は虫類 変温 卵生(陸上) うろこ ヘビ、トカゲ 鳥類 恒温 卵生(陸上) 羽毛 ハト、ワシ 哺乳類 恒温 胎生 イヌ、ヒト ★ 哺乳類だけが「胎生」。鳥類と哺乳類だけが「恒温」 ★ 水中の卵か陸の卵か、で「両生・は虫類」を区別
5グループの特徴を表で覚える。「体温」「呼吸」「産み方」「体表」の4観点。

② 無脊椎動物

背骨をもたない動物。種類が圧倒的に多い(地球上の動物の95%以上)。

図 4-2
節足動物 体が節(ふし)に分かれる ・昆虫類(あし6本)  チョウ、バッタ、カブトムシ ・甲殻類(あし10本など)  エビ、カニ ・クモ類(あし8本)  クモ、サソリ 軟体動物 節がない、内臓を「外とう膜」が包む ・貝類  アサリ、サザエ、カタツムリ ・頭足類  イカ、タコ その他 いろいろな仲間 ・棘皮動物(きょくひ)  ヒトデ、ウニ、ナマコ ・環形動物(かんけい)  ミミズ、ゴカイ ・刺胞動物(しほう)  クラゲ、サンゴ、イソギンチャク
無脊椎動物は節足動物・軟体動物・その他に分けられる。中学では節足と軟体を中心に。

目からウロコ:「昆虫はあし6本」が判定ポイント

昆虫類はあし6本、クモ類は8本、カニ類は10本。
クモは虫の仲間と思われがちだが「あしが6本でない」ので昆虫ではない。
昆虫は体が頭・胸・腹の3つに分かれ、あしは胸から6本出る ── ここを見れば一発。

📚 用語

  • 脊椎動物せきついどうぶつ背骨をもつ動物。魚類・両生類・は虫類・鳥類・哺乳類の5グループ。
  • 無脊椎動物背骨をもたない動物。節足動物・軟体動物など。
  • 変温動物外気温で体温が変わる動物。魚・両生・は虫類。
  • 恒温動物外気温に関係なく体温を一定に保つ動物。鳥類・哺乳類。
  • 胎生たいせい母体内で育って子として産まれる方式。哺乳類のみ。
  • 卵生らんせい卵で産まれる方式。哺乳類以外の脊椎動物。

練習⑤ 動物の分類

  1. bio-4-q1脊椎動物5グループを答えなさい。
    魚類・両生類・は虫類・鳥類・哺乳類
  2. bio-4-q2脊椎動物のうち、恒温動物のグループを2つ答えなさい。
    鳥類と哺乳類
  3. bio-4-q3胎生で産まれる動物のグループは何ですか。
    哺乳類
  4. bio-4-q4カエルが子と親で呼吸器が変わる理由を書きなさい。
    子(オタマジャクシ)は水中で生活するためえらと皮膚で呼吸し、親は陸上にも上がるため肺と皮膚で呼吸する。
  5. bio-4-q5ヘビやトカゲは何類ですか。
    は虫類
  6. bio-4-q6昆虫類のあしは何本ですか。
    6本
  7. bio-4-q7イカやタコはどの仲間に分類されますか。
    軟体動物
  8. bio-4-q8節足動物の体の特徴を書きなさい。
    体が節(ふし)に分かれていて、外側がかたい外骨格でおおわれている。
  9. bio-4-q9クジラは哺乳類ですか、魚類ですか。理由とともに答えなさい。
    哺乳類。肺で呼吸し、胎生で産み、子を母乳で育てるから(海にすんでいても哺乳類)。
  10. bio-4-q10「変温動物」と「恒温動物」のちがいを書きなさい。
    変温動物は外気温で体温が変わる。恒温動物は外気温に関係なく体温を一定に保つ。
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Unit 5 — 細胞と生殖

生物の最小単位「細胞」のつくりと、子孫を残すしくみ(無性生殖・有性生殖)を理解する。

① 細胞のつくり

すべての生物のからだは細胞からできている。植物細胞と動物細胞には共通部分とちがう部分がある。

図 5-1
植物細胞 細胞壁 細胞膜 葉緑体 液胞 動物細胞 細胞膜 ★ 共通:核、細胞膜 / 植物だけ:細胞壁、葉緑体、液胞
植物細胞には「細胞壁・葉緑体・液胞」がある。動物細胞にはない。核と細胞膜は両方にある。

② 無性生殖と有性生殖

図 5-2
無性生殖 ・親が1個体で子を作る ・子は親と同じ遺伝子(クローン) 例: 分裂(アメーバ、ゾウリムシ) 出芽(ヒドラ、酵母) 栄養生殖(ジャガイモ、サツマイモ) ★ 速く増えるが多様性なし 有性生殖 ・オスとメスの精子・卵子が結合 ・子は両親の遺伝子の混合(多様性) 例: ほとんどの動物・植物 花の受粉も有性生殖 ★ 多様性が生まれ、環境に強い
無性生殖はクローン(速いが弱い)、有性生殖は遺伝子の混合(多様性で強い)。

③ 体細胞分裂と減数分裂

体細胞分裂:1個 → 2個(同じ遺伝子)。からだが大きくなるとき。
減数分裂:染色体数が半分の生殖細胞(精子・卵子)を作る分裂。

目からウロコ:精子と卵子の染色体が「半分」なのには理由がある

もし精子と卵子が全部の染色体(46本)を持っていたら、受精すると92本になり、次世代は184本…と倍々で増えてしまう。
だから生殖細胞では染色体を半分(23本)にしておく。受精で23+23=46本に戻る、というしくみ。

📚 用語

  • 細胞さいぼう生物のからだをつくる最小単位。
  • かく細胞の中央にある球状の構造。遺伝情報を持つ。
  • 葉緑体/液胞/細胞壁植物細胞だけにある構造。
  • 無性生殖/有性生殖親1個体だけ/オス・メスの結合。
  • 減数分裂染色体数が半分になる生殖細胞をつくる分裂。

練習⑥ 細胞と生殖

  1. bio-5-q1生物のからだをつくる最小単位を何といいますか。
    細胞
  2. bio-5-q2植物細胞だけにある構造を3つ答えなさい。
    細胞壁、葉緑体、液胞
  3. bio-5-q3動物細胞と植物細胞の両方にある構造を2つ答えなさい。
    核、細胞膜
  4. bio-5-q4無性生殖と有性生殖のちがいを書きなさい。
    無性生殖は親1個体だけで子を作る(クローン)。有性生殖はオスとメスの生殖細胞が結合して子を作る(両親の遺伝子混合)。
  5. bio-5-q5無性生殖の例を1つあげなさい。
    アメーバの分裂、ヒドラの出芽、ジャガイモの栄養生殖など
  6. bio-5-q6体細胞分裂と減数分裂のちがいを書きなさい。
    体細胞分裂は染色体数が変わらない(からだの細胞を増やす)。減数分裂は染色体数が半分になる(精子・卵子をつくる)。
  7. bio-5-q7ヒトの体細胞の染色体数と生殖細胞の染色体数を答えなさい。
    体細胞:46本 / 生殖細胞(精子・卵子):23本
  8. bio-5-q8受精とは何ですか。
    精子と卵子(生殖細胞)の核が合体して受精卵ができること。
  9. bio-5-q9無性生殖の利点と欠点を答えなさい。
    利点:速く・確実に増える。欠点:遺伝的に同じなので環境変化に弱い。
  10. bio-5-q10有性生殖で子が両親と異なる遺伝子を持つ理由を書きなさい。
    精子と卵子がそれぞれ両親の染色体の半分を持ち、受精でその組み合わせができるから。
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Unit 6 — 遺伝と進化

メンデルの法則・顕性と潜性・DNA・進化の基本を理解する。生物の集大成。

① メンデルの遺伝法則 — エンドウの実験

メンデルはエンドウ豆を使い、形質(特徴)が親から子へ受け継がれるルールを発見した。

図 6-1(重要)
親世代 AA 丸(顕性) × aa しわ(潜性) F1(子) Aa 全部 丸 ★ 顕性のみ現れる F1同士をかけ合わせ → F2 表は受精時の組み合わせ A a A AA Aa a Aa aa → 丸:しわ = 3 : 1 これがメンデルの発見
親の世代(純系)AA × aa → F1は全部Aa(顕性) → F2はAA:Aa:aa=1:2:1で、見た目は丸:しわ=3:1。

② 顕性と潜性

対立する形質(丸 vs しわ)を持つ純系をかけ合わせると、F1では片方の形質だけが現れる。これを顕性(けんせい)、隠れた方を潜性(せんせい)という。

③ DNAと染色体

遺伝情報はDNAという分子に書かれている。DNAが集まったものが染色体。1本の染色体には何千もの遺伝子(特定の形質に対応する部分)が並ぶ。

目からウロコ:遺伝子はバトンタッチ

親は染色体を2セット持っているが、生殖細胞には半分しか入らない(減数分裂)。
子は父と母から半分ずつもらって、再び2セットになる。だから親と子は似ているが完全には同じではない。

④ 進化

長い時間をかけて、生物のからだが少しずつ変化することを進化という。証拠は化石、相同器官(コウモリの翼と人の腕は骨格が似ている)、DNAなど。

📚 用語

  • 遺伝親の形質が子に伝わること。
  • 顕性/潜性交配で表面に出る/隠れる形質。
  • DNA遺伝情報を持つ分子。二重らせん構造。
  • 染色体DNAがまとまった構造。細胞の核の中にある。
  • 進化長期間にわたる生物の変化。種の変化。
  • 相同器官起源が同じで、機能が変化した器官。進化の証拠。

練習⑦ 遺伝と進化

  1. bio-6-q1エンドウの実験で遺伝法則を発見した人物は誰ですか。
    メンデル
  2. bio-6-q2純系AA(丸)と純系aa(しわ)をかけ合わせて生まれた子(F1)はどんな形になりますか。
    全部 丸(Aa、顕性のAの形質が現れる)
  3. bio-6-q3入試頻出F1(Aa)同士をかけ合わせると、F2の丸:しわの比はいくつになりますか。
    3 : 1
  4. bio-6-q4顕性と潜性のちがいを書きなさい。
    顕性は対立する形質で表面に現れる方、潜性は隠れる方。
  5. bio-6-q5遺伝情報を持つ分子の名前を答えなさい。
    DNA(デオキシリボ核酸)
  6. bio-6-q6DNAはどんな形をしていますか。
    二重らせん構造
  7. bio-6-q7染色体は細胞のどこにありますか。
    核(の中)
  8. bio-6-q8進化とは何ですか。
    長い時間をかけて生物のからだが少しずつ変化し、種が変わっていくこと。
  9. bio-6-q9進化の証拠を2つあげなさい。
    化石、相同器官(同じ骨格が変形している例:コウモリの翼と人の腕)、DNAの類似性など
  10. bio-6-q10コウモリの翼と人の腕の骨格が似ているのはなぜですか。
    共通の祖先から進化したから(相同器官の例)。
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