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中学 物理

「光・音・力」から始まる物理。動きと変化を、図と数字で見る。

目次

Unit 0 — 小学校の復習

Unit 1 を読むのに必要な「光・影・直進」の感覚を、絵で確認する。

① 光はまっすぐ進む

図 0-A
太陽 影(かげ) 光はまっすぐ進む(直進)
光は途中で曲がらず、まっすぐ進む。だから物体の後ろに影ができる。

② 物が見えるしくみ

図 0-B
光源 ①光が出る 物体 ②物体で反射 ③光が届く=見える
「物が見える」=物体で反射した光が目に届くこと。暗闇では物は見えない。

Unit 0 のまとめ

  • 光はまっすぐ進む(直進する)
  • 影は、光が物体に遮られてできる
  • 物が見える=光が物体で反射して目に届く

Unit 1 — 光の性質

光の直進・反射・屈折の3つのルールと、凸レンズのはたらきを身につける。

図 1-MAP
光のふるまい ① 直進 何もなければまっすぐ ② 反射 ③ 屈折 境目で曲がる/跳ね返る ④ 凸レンズ 屈折を利用して像をつくる
光は3つのルール(直進・反射・屈折)でできていて、レンズはその応用。

① 光の直進と光線

光は何もない空間(真空・空気・水・ガラスの中など、同じもの)ではまっすぐ進む。これを「直進」という。

光の通り道を線で表したものを光線という。理科では光線で考える。

図 1-1
光源 光源からあらゆる方向に、まっすぐな光線が広がる
光は光源から放射状にまっすぐ進む。理科では何本かの「光線」を描いて考える。

目からウロコ:光は「見える」のではなく「届く」もの

夜空を進むレーザーは、横から見ると線として見える。でも宇宙空間ではレーザーは見えない ── 空気のチリに反射して初めて目に届くから。

つまり「光が見える」というより、「光が反射した結果が見える」。光そのものは、目に直接入ってこなければ何も見えない。

② 反射 — 跳ね返る光

光が物体の表面(特に鏡)に当たると跳ね返る。これが反射
反射には法則がある ── 入射角と反射角がいつも等しい。

図 1-2(重要)
鏡(または反射面) 法線 入射光 反射光 入射角 反射角 反射の法則: 入射角 = 反射角
「入射角」と「反射角」は、どちらも法線(鏡に垂直な線)から測る。ここをミスする生徒が多い。

よくある間違い:角度を「鏡から」測る

入射角・反射角は鏡の面からではなく法線(鏡に垂直な線)から測る。
例:光が鏡に対して30°の角度で入ってきたとき → 入射角は60°(90° − 30°)。

鏡に映る像(鏡像)

図 1-3
あなた 鏡から 150cm 鏡の中のあなた(虚像) 鏡の奥に 150cm 距離 a 距離 a(等しい) ★ 鏡の中の像は、鏡に対して線対称の位置にある
鏡に映る自分は、鏡の奥側に「鏡からの距離が同じ」位置にある(線対称)。

📚 用語

  • 入射光にゅうしゃこう境目に当たる前の光。
  • 反射光はんしゃこう境目で跳ね返った光。
  • 法線ほうせん境目(鏡)に垂直な線。角度を測る基準。
  • 入射角/反射角法線から測った角度。反射の法則によりこの2つは等しい。
  • 虚像きょぞう実際には光が集まっていないが、目には見える「鏡の中の像」。

練習① 反射

  1. phys-1-q1入試頻出 反射の法則を書きなさい。
    入射角と反射角は等しい。(どちらも法線から測る)
  2. phys-1-q2 鏡に対して 30° の角度で光が入射した。入射角は何度ですか。
    60°(法線から測るので 90° − 30° = 60°)
  3. phys-1-q3 あなたが鏡から1.2m離れて立っている。鏡の中の自分の像は、あなたから何m離れていますか。
    2.4m(鏡の奥に1.2m → 自分から像までは1.2 + 1.2 = 2.4m)
  4. phys-1-q4 鏡に映る像のような、実際には光が集まっていない「見かけの像」を何といいますか。
    虚像(きょぞう)
  5. phys-1-q5 ザラザラした紙の表面でも、光は反射している。「乱反射」と「正反射」のちがいを答えなさい。
    正反射=平らな面で、入射角と反射角が同じ向きで反射する(鏡)。乱反射=凸凹した面で、入射光が様々な方向に散らばって反射する(紙、壁)。

③ 屈折 — 境目で曲がる光

光が空気と水のような違う物質の境目に入ると、進む向きが変わる。これが屈折

図 1-4
空気 法線 入射光 屈折光 一部は反射 空気→水:屈折角<入射角(法線に近づく)
光が空気から水(または ガラス)に入るとき、屈折光は法線に近づく方向に曲がる。

逆向き(水→空気)に進むときは、屈折光は法線から遠ざかる方向に曲がる。

図 1-5
空気 入射 屈折光 水→空気:屈折角>入射角(法線から遠ざかる)
水→空気のときは、屈折光は法線から遠ざかる方向に曲がる(入射のときと逆)。

身近な例:水の中の棒が曲がって見える

図 1-6
水面 実際の棒 見える位置(ずれる) 水中からの光が 屈折して目に届く → 棒が「曲がって」  見える
コップの水の中の棒が曲がって見えるのは、屈折のため。光が屈折して目に届くから。

全反射

水→空気 のように、屈折角>入射角 の状況では、入射角を大きくしていくと屈折角が90°に達する。さらに大きくすると、光はすべて反射される。これが全反射

図 1-7
① 入射角 小 屈折して出る ② 入射角 大(限界) 屈折角90°(限界角) ③ さらに大→全反射 全部 反射!
水→空気の入射角がある角度を超えると、光は外に出ず、すべて水中に反射される(全反射)。光ファイバーはこの仕組み。

目からウロコ:光ファイバーは「閉じ込められた光」

インターネットの通信に使う光ファイバーは、ガラス繊維の中で光を全反射させ続けて、遠くまで光を届けている。曲がりくねっていても外に漏れない ── 全反射のおかげ。

動画で見る

水中の棒が曲がる実験、全反射、光ファイバー:

④ 凸レンズと像

凸レンズは中央が厚いガラス。屈折を利用して光を集める。

図 1-8
光軸 凸レンズ 焦点 F 光が集まる点 焦点距離 f
凸レンズは平行な光を1点(焦点)に集める。レンズの中心から焦点までを焦点距離 f という。

凸レンズの3本の作図ルール

図 1-9(重要)
F F 物体 ①光軸と平行→F通る ②レンズ中心→直進 ③F通る→光軸平行 3本が交わる点
物体の先端から3本の光線を描くと、必ず1点で交わる。そこが像。

物体の位置で像が変わる

図 1-10
物体の位置 像の種類 向き 大きさ 用途 焦点距離より遠い 実像 さかさま 小さい カメラ 2f(焦点距離の2倍) 実像 さかさま 同じ大きさ 焦点と2fの間 実像 さかさま 大きい プロジェクタ 焦点の位置 像できず 焦点より近い 虚像 同じ向き 大きい ルーペ ★ 実像は「さかさま」、虚像は「同じ向きで大きい」が試験頻出
物体が焦点より遠ければ「実像(さかさま)」、近ければ「虚像(同じ向き・大きい)」ができる。

目からウロコ:カメラ・目・ルーペは全部「凸レンズ」

カメラのレンズも、人間の目の水晶体も、虫めがね(ルーペ)も、ぜんぶ凸レンズ。違うのは「物体までの距離」と「焦点距離」だけ。

同じ仕組みで、用途に応じて像のでき方を使い分けている。

よくある間違い:「実像」と「虚像」の混同

  • 実像=スクリーンに映る、実際に光が集まっている像(さかさま)
  • 虚像=スクリーンには映らない、見かけの像(同じ向き・大きい)

「実像はさかさま、虚像は同じ向き」をまず覚える。

📚 用語

  • 屈折くっせつ境目で光の向きが変わること。
  • 全反射ぜんはんしゃ水→空気のような場面で、入射角が大きいと光が外に出ず全部反射する現象。
  • 焦点しょうてん凸レンズで光軸に平行な光が集まる点。
  • 焦点距離しょうてんきょりレンズの中心から焦点までの距離。f で表す。
  • 実像じつぞうスクリーンに映る、さかさまの像。
  • 虚像きょぞうスクリーンに映らない見かけの像。同じ向きで大きい。

練習② 屈折と凸レンズ

  1. phys-1-q6 光が空気から水に入るとき、屈折角と入射角はどちらが大きいですか。
    入射角の方が大きい(屈折角<入射角、屈折光は法線に近づく)
  2. phys-1-q7 水中から空気に出ようとする光が、入射角を大きくしていったとき、ある角度を超えると全部反射してしまう現象を何といいますか。
    全反射
  3. phys-1-q8 全反射の応用例を1つあげなさい。
    光ファイバー(インターネット通信や内視鏡)/ダイヤモンドの輝き
  4. phys-1-q9 凸レンズで、光軸に平行な光が集まる点を何といいますか。
    焦点
  5. phys-1-q10 焦点距離10cmの凸レンズの前、20cmの位置に物体を置いた。物体の位置は「焦点距離の何倍」ですか。
    2倍(2f の位置)
  6. phys-1-q11 前問の状態でできる像の大きさ・向きを答えなさい。
    物体と同じ大きさで、さかさま(倒立)の実像
  7. phys-1-q12 凸レンズの前、焦点よりも近い位置に物体を置いた。どんな像ができますか。
    同じ向き(正立)で、物体より大きい虚像(ルーペで物を見たときの状態)
  8. phys-1-q13 スクリーンに映すことができる像はどちらですか。
    実像虚像
    実像(実際に光が集まっているのでスクリーンに映る)
  9. phys-1-q14 凸レンズの3本の作図ルールのうち、「光軸と平行に進む光」はレンズを通過後どうなりますか。
    反対側の焦点を通る
  10. phys-1-q15 凸レンズの中心を通る光はどうなりますか。
    そのまま直進する(屈折せずに通り抜ける)

⑤ 光の色(白色光と分光)

太陽の光(白色光)は、実は7色の光の集まり。プリズムで分けると虹のように見える。

図 1-11
白色光 プリズム 色によって屈折のしかたがちがう(赤は曲がりにくい、紫は曲がりやすい)
白色光をプリズムに通すと7色に分かれる。虹も雨粒がプリズムの役を果たしている。

目からウロコ:「リンゴが赤い」とは「赤い光だけを反射する」こと

白色光(全色入り)がリンゴに当たると、リンゴは赤い光だけを反射し、ほかの色は吸収する。だから目には赤く見える。

つまり「物体の色」は、物体そのものの色ではなく、その物体がどの色の光を反射するかで決まる。

黒い服は全色を吸収するから黒く見え、白い服は全色を反射するから白く見える。

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Unit 2 — 音の性質

音は振動が波として伝わるもの。「音源・媒質・速さ・三要素」をマスターする。

図 2-MAP
① 音源の振動 弦・スピーカー ② 波として伝わる 空気・水・固体 ③ 耳に届く 空気の振動として ④ 三要素 高さ・大きさ・音色
音は「振動 → 波として伝わる → 耳に届く」の3段階。最後に三要素で音を区別する。

① 音源と振動

音を出すもとを音源という。音源は必ず振動している。ギターの弦、太鼓の皮、声帯、スピーカーのコーン ── すべて振動している。

図 2-1
ギターの弦 弦が上下に振動 太鼓の皮 皮が上下に振動 スピーカー 空気を押す/引く コーンが前後に振動
音源は形が違っても「振動している」のは共通。振動が空気に伝わって音になる。

② 音は波として伝わる — 媒質が必要

音はとして伝わる。音を伝える物質を媒質(ばいしつ)という。空気・水・固体ぜんぶ媒質になれる。真空中では伝わらない

図 2-2
⭕ 空気あり:音が伝わる 🔔 音源 👂 聞こえる 空気が振動を伝える ❌ 真空:音は伝わらない 真空(空気なし) 🔔 音源は振動してる × 伝わるものがない 👂 聞こえない ★ 宇宙空間(ほぼ真空)では声を出しても音は伝わらない
音は媒質(空気・水・固体)が振動を伝えてはじめて伝わる。光は真空でも届くが、音は届かない。

目からウロコ:「音が伝わる」とは「振動がバケツリレーされる」こと

空気の粒(分子)が、音源の振動を受けて隣の粒を押す → 隣の粒がまた隣を押す ── このバケツリレーで「振動の波」が伝わる。
粒そのものは大して動かない。動いているのは「振動」というパターンだけ。

③ 音の速さ

音の速さは媒質によってちがう。空気中では 約 340 m/s(気温15℃)。固体や水の中では音はもっと速く伝わる。

図 2-3
媒質と音の速さ(m/s) 空気 340 約1500 約5950 ★ 固体 > 液体 > 気体 の順で速い(分子の密度が高いほど振動が速く伝わる)
音の速さは媒質で変わる。空気は340m/s、水は約1500m/s、鉄なら約6000m/s。

雷で距離を測る

光と音の速さに大きな差があることを利用すると、雷までの距離が分かる。

図 2-4
光(30万km/s)→ ほぼ瞬時に到着 音(340m/s)→ 遅れて聞こえる 👁 👂 公式:距離 [m] = 340 × ずれた秒数 [s] 光ってから3秒後に音が聞こえた → 340×3 ≒ 1020m(約1km)
光と音の到着差で距離が分かる。試験頻出。「光速はほぼ瞬時、音速は340m/s」と覚える。

④ 音の三要素 — オシロスコープで見る

音を波の形で見ると、3つの特徴で区別できる。振幅・振動数・波形

図 2-5(重要)
① 音の高さ(振動数) 低い音 振動数 少(波の数が少ない) 高い音 振動数 多(波の数が多い) 単位:Hz(ヘルツ)= 1秒あたりの振動回数 ② 音の大きさ(振幅) 小さい音 振幅 小(波の高さが低い) 大きい音 振幅 大(波の高さが高い) 大きい音 = 音源が大きく振動 = 振幅が大きい波
音の三要素のうち、「高さ=振動数」「大きさ=振幅」がオシロスコープに直接見える。波形は音色(楽器の違い)になる。
図 2-6
③ 音色(おんしょく):波形のちがい ギター フルート 同じ「ラ」の音(同じ振動数)でも、楽器によって波形がちがう → 音色がちがう ★ 「高さ・大きさ」が同じでも「音色」がちがえば別の音
同じ音程・同じ音量でも、波の形(ギザギザ具合)がちがえば別の楽器の音に聞こえる。これが音色。

よくある間違い:「振動数」と「振幅」の混同

  • 振動数=1秒間に何回振動するか(縦軸の「波の数」) → 音の高さ
  • 振幅=波の高さ(横軸からの高さ) → 音の大きさ

波形を見て「波が多い=高い、背が高い=大きい」と覚える。

動画で見る

📚 用語

  • 音源おんげん音を出すもとの物体。必ず振動している。
  • 媒質ばいしつ音を伝える物質。空気・水・固体など。真空は媒質にならない。
  • 振動数しんどうすう1秒間に何回振動するか。単位 Hz(ヘルツ)。音の高さを決める。
  • 振幅しんぷく波の高さ。音の大きさを決める。
  • 音色おんしょく波形のちがいによる音の個性。楽器や声を区別する手がかり。

練習③ 音の性質

  1. phys-2-q1 音源には共通の特徴があります。それは何ですか。
    振動していること
  2. phys-2-q2 真空中では音が伝わらない理由を書きなさい。
    音を伝える媒質(空気などの物質)がないから。
  3. phys-2-q3 空気中(気温15℃)の音の速さは何 m/s ですか。
    約340 m/s
  4. phys-2-q4入試頻出 雷が光ってから音が聞こえるまでに5秒かかった。雷までの距離は何mですか。
    340 × 5 = 1700m(約1.7km)
    詰まったら → 単位の復習(m/s, km)に戻る
  5. phys-2-q5 音の三要素を答えなさい。
    音の高さ・音の大きさ・音色
  6. phys-2-q6 振動数が大きいほど、音はどうなりますか。
    高くなる
  7. phys-2-q7 振幅が大きいほど、音はどうなりますか。
    大きく(うるさく)なる
  8. phys-2-q8 同じ「ラ」の音をギターとフルートで出した。違う楽器だと分かるのは、何がちがうからですか。
    波形がちがう(音色がちがう)
  9. phys-2-q9 振動数の単位は何ですか。
    Hz(ヘルツ)
  10. phys-2-q10 音は空気・水・鉄のどれを最も速く伝わりますか。
    鉄(固体)。固体 > 液体 > 気体 の順で速い。
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Unit 3 — 力のはたらき

力の3要素・矢印表記・フックの法則・つり合いを覚え、簡単な計算ができるようになる。

図 3-MAP
① 力の3要素 大きさ・向き・作用点 ② いろいろな力 重力・摩擦・弾性 ③ フックの法則 ばねの伸び ∝ 力 ④ つり合い
力は「3要素 → 種類 → フックの法則 → つり合い」の流れで学ぶ。

① 力の3要素 — 矢印で表す

力は大きさ・向き・作用点の3つで決まる。これを矢印で表すと一目で分かる。

図 3-1
物体 作用点 ① 矢印の長さ = 力の大きさ ② 矢印の向き = 力の向き ③ 矢印のはじまり = 作用点
力の3要素は矢印の「長さ・向き・はじまりの点」で表す。これだけで力が完全に表せる。

② いろいろな力

図 3-2
① 重力 地球が引く力 下向き いつもはたらく ② 摩擦力 面と接して動きを止める 摩擦 引く力 動こうとする向きと逆向き ③ 弾性力 ばね・ゴムが戻ろうとする 弾性力 伸ばすほど大きい ④ 垂直抗力 面が押し返す力 重力 垂直抗力 重力と同じ大きさで逆向き
中学で扱う代表的な力4つ。それぞれ「いつはたらくか」「向き」がちがう。

③ フックの法則 — ばねの伸びは力に比例

ばねを引くと伸びる。引く力を2倍にすると、伸びも2倍。これがフックの法則(比例関係)。

図 3-3
伸び [cm] 力 [N] 1N 2cm 2N 4cm 3N 6cm フックの法則 伸び ∝ 力 このばねは 1N で 2cm 伸びる ★ グラフは原点を 通る直線(比例)
ばねの伸びは加える力に比例する(フックの法則)。グラフは原点を通る直線。

④ 力のつり合いと単位

目からウロコ:「ニュートン (N)」は重さの単位

1N(ニュートン)は、地球上で約100g の物体にはたらく重力とほぼ等しい。
つまり 1円玉 100枚 ≒ 1N、500ml ペットボトル ≒ 5N。
質量[g]と重力[N]は別物だが、地球の表面では100gごとに1Nと覚えれば実用上OK。

よくある間違い:「質量」と「重さ」の混同

  • 質量=物質の量。単位 g, kg。場所が変わっても変わらない(月でも1kg)
  • 重さ=重力の大きさ。単位 N。場所で変わる(月では地球の1/6)
図 3-4 つり合い
垂直抗力 N 重力 W つり合い 3条件 ① 同じ大きさ ② 反対向き ③ 一直線上
机の上の物体は「重力」と「垂直抗力」が完全につり合っているので動かない。

📚 用語

  • 力の3要素大きさ・向き・作用点。矢印で表す。
  • ニュートン(N)力の単位。地球上では約100gにかかる重力 ≒ 1N。
  • フックの法則ばねの伸びは加えた力に比例する。
  • 質量物質の量。kgやg。場所が変わっても不変。
  • 重さ重力の大きさ。Nで測る。場所で変わる。

練習④ 力のはたらき

  1. phys-3-q1力の3要素を答えなさい。
    大きさ・向き・作用点
  2. phys-3-q2地球が物体を引く力を何といいますか。
    重力
  3. phys-3-q3100gの物体にはたらく重力は約何Nですか。
    約1N
  4. phys-3-q4あるばねは1Nで3cm伸びる。5N加えると何cm伸びますか。
    15cm(フックの法則:3×5=15)
  5. phys-3-q5フックの法則を式で書くとどうなりますか。
    ばねの伸び = ばね定数 × 力(伸び ∝ 力、グラフは原点を通る直線)
  6. phys-3-q6机の上に置いた本にはたらいている力を2つ答えなさい。
    重力(下向き)と垂直抗力(上向き)。この2つがつり合って静止している。
  7. phys-3-q72つの力がつり合う3つの条件を書きなさい。
    ① 大きさが等しい ② 向きが反対 ③ 同一直線上にある
  8. phys-3-q8「質量」と「重さ」のちがいを書きなさい。
    質量は物質そのものの量で場所が変わっても変わらない(g、kg)。重さは重力の大きさで場所で変わる(N)。月では地球の1/6になる。
  9. phys-3-q9滑り台を滑り降りる物体に、進む向きと逆向きにはたらく力を答えなさい。
    摩擦力
  10. phys-3-q10ばねや弾力のあるものが、元の形に戻ろうとして生じる力を何といいますか。
    弾性力(だんせいりょく)
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Unit 4 — 電流と回路

電流(A)・電圧(V)・抵抗(Ω)の関係(オームの法則)と、直列・並列回路の特徴を理解する。

① 回路の基本

電気が流れる輪を回路という。電池(電源)・導線・電球(抵抗)・スイッチをつないだ閉じた輪。

図 4-1
基本の回路記号 電池 + 抵抗(電球) スイッチ A 電流計 V 電圧計 ★ 電流計は回路に「直列」、電圧計は「並列」につなぐ
回路図は記号で描く。電流計と電圧計のつなぎ方を間違えないように。

② 直列回路と並列回路

図 4-2(重要)
直列回路 R₁ R₂ 電流 I どこでも同じ 電圧 V = V₁ + V₂ 合成抵抗 R = R₁ + R₂ 並列回路 R₁ R₂ 電流 I = I₁ + I₂ 枝分かれする 電圧 V = どこでも同じ 合成抵抗:式が複雑
直列は「電流どこでも同じ・電圧は分かれる」、並列は「電圧どこでも同じ・電流は分かれる」。逆になる。

③ オームの法則

電圧 V [V]・電流 I [A]・抵抗 R [Ω] の関係:

図 4-3(重要)
V = I × R 電圧 [V] = 電流 [A] × 抵抗 [Ω] 変形:I = V÷R / R = V÷I 例:3Vの電池に10Ωの抵抗 → I = 3 ÷ 10 = 0.3A
電圧と電流は比例関係(抵抗が一定なら)。グラフは原点を通る直線。

目からウロコ:オームの法則は「水路」のイメージ

電圧 = 水を押す力/電流 = 流れる水の量/抵抗 = 細い管。
押す力(V)が強いほど流れる水(I)は増える。管が細い(R大)と流れる水は減る。
式 V = IR は「押す力 = 水の量 × 管の細さ」と読める。

📚 用語

  • 電流でんりゅう回路を流れる電気の量。単位 A(アンペア)。
  • 電圧でんあつ電流を流す力。単位 V(ボルト)。
  • 抵抗ていこう電流の流れにくさ。単位 Ω(オーム)。
  • オームの法則V = I × R。電圧と電流は比例。

練習⑤ 電流と回路

  1. phys-4-q1電流・電圧・抵抗の単位をそれぞれ答えなさい。
    電流:A(アンペア)、電圧:V(ボルト)、抵抗:Ω(オーム)
  2. phys-4-q2オームの法則を式で書きなさい。
    V = I × R(電圧 = 電流 × 抵抗)
  3. phys-4-q3入試頻出6Vの電池に12Ωの抵抗をつなぐと電流は何Aになりますか。
    I = V ÷ R = 6 ÷ 12 = 0.5A
  4. phys-4-q42Aの電流が流れているとき、3Ωの抵抗にかかる電圧は何Vですか。
    V = I × R = 2 × 3 = 6V
  5. phys-4-q5直列回路で、電流はどこでも同じか、場所によって変わるか。
    どこでも同じ
  6. phys-4-q6並列回路で、各枝にかかる電圧は同じですか、違いますか。
    どこでも同じ(電源の電圧と等しい)
  7. phys-4-q75Ωと10Ωの抵抗を直列につないだ。合成抵抗は何Ωですか。
    15Ω(直列:R = R₁ + R₂)
  8. phys-4-q8電流計は回路にどのようにつなぎますか。
    直列につなぐ(測りたい部分に直列)
  9. phys-4-q9電圧計は回路にどのようにつなぎますか。
    並列につなぐ(測りたい部分に並列)
  10. phys-4-q10100Vの電源に20Ωの電熱線をつないだとき、流れる電流を答えなさい。
    I = 100 ÷ 20 = 5A
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Unit 5 — 電流と磁界

電流のまわりにできる磁界、磁界が電流を動かす力、電磁誘導の3つを身につける。

① 電流が磁界をつくる(右ねじの法則)

導線に電流を流すと、まわりに同心円状の磁界ができる。電流の向きと磁界の向きは右ねじの関係。

図 5-1
電流 I 右ねじの法則 右手の親指:電流の向き 他の4本指:磁界の向き ★ 電流が上向きなら   磁界は反時計回り 「ねじを右に回すと進む」イメージ
電流の向き→右ねじを進めたい方向/磁界の向き→ねじを回す方向。

② コイルとモーター

磁界の中に電流を流すと、電流にがはたらく。コイルにすると回転する力になる ── これがモーターの原理。

図 5-2
N S 磁界 力 F 電流(手前向き) フレミング左手 中指:電流 I 人差し:磁界 B 親指:力 F ★ コイルを回すと   連続的に力が働く → モーター
磁界中の電流に力がはたらく。3つの向きはフレミング左手の法則で求める。

③ 電磁誘導 — 磁界の変化で電流が生まれる

コイルの近くで磁石を動かすと、電流が流れる。これが電磁誘導。発電機の原理。

目からウロコ:「電流→磁界」も「磁界→電流」も両方OK

電流を流せば磁界ができる(モーターの原理)。逆に、磁界を変化させれば電流が生まれる(発電機の原理)。
この双方向の関係が、電気と磁気の世界の核心。スマホもエアコンも電車も、すべてこの2つの組み合わせ。

📚 用語

  • 磁界じかい磁石や電流がつくる磁石の力の領域。
  • 右ねじの法則電流の向きと磁界の向きの関係を示すルール。
  • 電磁誘導磁界の変化でコイルに電流が流れる現象。
  • 誘導電流電磁誘導で流れる電流。

練習⑥ 電流と磁界

  1. phys-5-q1電流のまわりにできる磁界の向きを決める法則を何といいますか。
    右ねじの法則
  2. phys-5-q2導線に上向きに電流を流したとき、まわりの磁界の向きは時計回り・反時計回りどちらですか。
    反時計回り(右ねじを上に進めるとき、回す方向が反時計回り)
  3. phys-5-q3モーターの原理を一言で説明しなさい。
    磁界の中で電流を流すと、力がはたらいてコイルが回転する。
  4. phys-5-q4フレミング左手の法則で、親指・人差し指・中指はそれぞれ何の向きを示しますか。
    親指:力、人差し指:磁界、中指:電流
  5. phys-5-q5電磁誘導とは何ですか。
    コイルの中の磁界が変化することで、コイルに電圧が生じて電流が流れる現象。
  6. phys-5-q6発電機が電磁誘導で電気をつくる仕組みを書きなさい。
    コイルを磁石の中で回す(または磁石を動かす)ことで、磁界の変化を作り、誘導電流を発生させる。
  7. phys-5-q7磁石をコイルから速く動かすと、誘導電流の大きさはどう変わりますか。
    大きくなる(磁界の変化が速いほど電流が大きい)
  8. phys-5-q8家庭のコンセントから来る電流は、直流・交流のどちらですか。
    交流
  9. phys-5-q9電流を強くしたとき、まわりの磁界の強さはどうなりますか。
    強くなる
  10. phys-5-q10コイルの巻き数を増やすと、磁界・電流による力はどうなりますか。
    強くなる(巻数が多いほど磁界・力が増す)
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Unit 6 — 運動とエネルギー

速さ・等速直線運動・仕事・エネルギーの保存を理解する。物理の集大成。

① 速さの計算

図 6-1
速さ = 距離 ÷ 時間 v [m/s] = 距離 [m] ÷ 時間 [s] 100mを20秒で走る → 100 ÷ 20 = 5 m/s
速さの公式は基本中の基本。単位は m/s や km/h。

② 等速直線運動と力

力がはたらかないとき、物体は等速直線運動を続ける(慣性の法則)。
力がはたらくと、その向きに加速する(運動の法則)。

③ 仕事

物体に力を加えて動かしたとき、力 × 距離 を「仕事」という。単位は J(ジュール)

図 6-2
仕事 W = 力 F × 距離 s W [J] = F [N] × s [m] 10Nの力で2m動かす → 20J
力を加えても動かなければ仕事は0J。「動いた距離」が肝心。

④ エネルギーとその保存

エネルギーには2種類:位置エネルギー(高い場所にある)と運動エネルギー(動いている)。
この2つの和「力学的エネルギー」は摩擦がなければ保存される。

目からウロコ:ジェットコースターは「位置 ⇄ 運動」の交換

頂上:位置エネルギー最大、運動エネルギー最小(ゆっくり)
底:位置エネルギー最小、運動エネルギー最大(最高速)
合計はずっと同じ ── これが力学的エネルギー保存則。

📚 用語

  • 速さ単位時間に進む距離。m/s, km/h。
  • 等速直線運動速さも向きも変えずに直進する運動。力がはたらかないとき。
  • 仕事力 × 距離。単位 J(ジュール)。
  • 位置エネルギー/運動エネルギー高さ/速さに対応するエネルギー。
  • 力学的エネルギー保存則摩擦がなければ位置エネ + 運動エネ = 一定。

練習⑦ 運動とエネルギー

  1. phys-6-q1速さを求める公式を書きなさい。
    速さ = 距離 ÷ 時間
  2. phys-6-q2200mを40秒で走るときの速さは何 m/s ですか。
    200 ÷ 40 = 5 m/s
  3. phys-6-q360 km/h は何 m/s ですか。
    60000 m ÷ 3600秒 = 約16.7 m/s(または 60 ÷ 3.6)
    詰まったら → 単位の換算ルール(km→m, h→s)に戻る
  4. phys-6-q4等速直線運動とは何ですか。
    速さも向きも変えずに、まっすぐ進む運動。力がはたらいていないとき。
  5. phys-6-q55Nの力で物体を3m動かしたときの仕事は何Jですか。
    5 × 3 = 15 J
  6. phys-6-q6力をかけても物体が動かなかったとき、仕事は何Jですか。
    0J(物理学では「動いた距離」がゼロなら仕事はゼロ)
  7. phys-6-q7位置エネルギーが大きくなる条件を書きなさい。
    物体の質量が大きいほど、また、高さが高いほど大きい。
  8. phys-6-q8運動エネルギーが大きくなる条件を書きなさい。
    物体の質量が大きいほど、また、速さが大きいほど大きい。
  9. phys-6-q9力学的エネルギー保存則を書きなさい。
    摩擦や空気抵抗がなければ、位置エネルギー + 運動エネルギー = 一定。
  10. phys-6-q10ジェットコースターが頂上から底に降りるとき、位置エネルギーと運動エネルギーはどう変わりますか。
    位置エネルギーは減り、運動エネルギーは増える。合計はほぼ一定(保存則)。
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